フランス4日目

4日目だ。
そんな気がしない。

軽く寝坊してしまった為、ホテルの朝食は諦めた。
8時にロビーで待っていると、吉冨まりこさんは登場した。
モンサンミッシェル滞在中にムーランルージュの話をメールしたら「人気でチケットが手に入るか微妙だから」と言ってムーランルージュのチケットを予約しておいてくれた。

そしてそのチケットを持って来てくれた。

なんて良い人なんだ。
そこから昨日の夜調べていたミュージアムパスをゲットすべく、JCBラウンジへ。
JCBのカードがあってよかった。

ここまで一切役に立っていなかったJCBカードがここにきて大活躍だ。

聞くところによると荷物も預かってもらえるらしい。
最終日もここに荷物を預けに来よう。
まりこさんに教えてもらって、メトロやバスといったいろんな乗り物が1週間乗り放題のカードを作った。知らなかった。こんな便利なものがあるなんて。

名をnavigoという。
これでほぼ全てのミュージアムと移動にお金がかからない。
ご飯だけだ。

これはなかなか心強い。

最強だ。
クレジットカードが使えないという逆境に立ちながらも逞しく生きている。
困った事といえば明日に迫っているムーランルージュの正装をどうしようかと悩んでいるくらいだ。
それに、割と使っていないのにWiFiはすぐ250MBを超える。
設定は確認している。何故だ。

そして割と繋がらない。何故だ。
オルセー美術館に到着し、まりこさんと別れた。
ありがとう、まりこさん。

色々な話をしながらあっという間に時は過ぎていた。
そして、美術館の中に入ると凄い。
テンションの上がり方が尋常でない事が、自分の脈拍でわかるほどだった。
ただし、時間がない、観たいものはたくさんあるんだ。急がねば。
も、つかの間。
ミレーに完全に足を止めさせられる。
あ、ウチにあるヤツの本物がある。
こんな感動もありつつ、一階を制覇。
次は2階に行こうかとも思ったが、混んでいそうだったので5階へ。
ドガやモネ、セザンヌといった面々の作品を観ているときに、事件は起こった。
緊急アラートが鳴り響き、警備員が外に出ろとざわついている。
とっさの事で聞き取れず、流れにそって移動。
なにやら、施設の一部に破損があった?とかなんとか。

でもそれで外に出されるのか?とも思いつつ、流れに従う。

美術館の外(5F)の広場みたいなところに出された。

近くにいた日本人ガイドの方が「20年くらいガイドやってるけど、オルセーにこんな場所があったなんて知らなかったー」なんて言っていた。

これはもしかしてかなりレアな体験?
すぐ戻れるかなぁなんて思っていたら、そのまま非常階段を降ろされ完全に美術館の外へ。
マジか。
正面玄関は大パニック。
11:15頃に外に出されたのだが、すでに12:00を回っている…

寒空の下、何が起こったのかもわからず待っていた。

入り口の近くは築地の競りかと思う程、半券片手に突き上げシャウトしている人達で溢れかえっていた。
しばらく待っていたらまた入場が始まったのでもう一度中へ。
12:30になっていた。
もう一度カマされたらキツいので、ゴッホなどがある2階へ急ぐ。
ヤバい、ヤバいぜ。
テンションがハイに入ったまま1時間が経っていた。
とりあえずは観れた。

お土産も買い、良いファイルも手に入れた。

電車の時間も丁度いい、ここら辺で切り上げよう。
いざヴェルサイユ宮殿へ。
RERに乗りヴェルサイユまで行く。
車内は混雑していなく、なかなか良い気分。
辿り着いたらいきなりゴキゲンな街並みが広がっている。
実にパリっぽい。
石畳みの道を歩き、宮殿が見えてきた。
すげぇ…
もう、凄いが連続で押し寄せてくるので、どうしようもない。
語彙力がないのだ、大目に見て欲しい。

入る場所がわからず、しばらくウロチョロするが、RPGの経験を活かしアタックすると見事に正解のルート。

まぁ、読めばわかる。なのだが。

ミュージアムパスを出し、チェックを受ける。

受付の男性に「良いピンバッチだ」と言われ、またしてもルンルンである。
宮殿の中はとにかくピカついている。
庭園もバカデカい。
何から何まで、スケールが大きい。

とりあえずRPG魂を胸に宿し、隅々まで探索。
2時間くらいかかってしまった。

中の作りはやはり豪華で、写真で見た時より凄い!と感じた。

よし、これでまたパリに帰ろう。
ここまでくると、もう電車も慣れたものだ。

まだ2.3回しか乗ってないけど。
行きとは逆サイドの席に座り、街並みを眺める。
良い。
やはり、どこからどうみてもオシャレな国だ。
30分程揺られてパリの街へ戻る。
オルセー前で降りて、散歩しよう。
夕暮れのセーヌ川を撮りまくる。

やはり夕方が好きだ。
川を行く遊覧船みたいなやつ、今度来た時にはアレをキメたい。
オランジュリー、ルーブルと、夕焼けに染まる建物を激写しまくり、歩いて1区内へ。
ムーランルージュの為、ジーンズ以外の何かを買いにUNIQLOへ。
と、UNIQLOへ行く前に革靴店が目に入った。
店員が日本人ぽいぞ。
明日はスニーカーじゃあキマらない。
革靴は欲しかったし、いっちょ行ってみっか。
って事で入店。
ここでミラクル。
JCBが使えるのだ。買うしかない。
良い型を見つけサイズを探してもらう。
黒がサイズなく、バーガンディならあります、と。
バーガンディ?
明日はムーランルージュだ。
色合いは最高じゃないか。
履いてみると今までにはないほどのジャストフィット。
気持ちがいい。
これは、買えと言われているんだな、リトル南に。
という事で
【南、パリで靴を買う】
フランスで、イタリアの靴を、韓国人にフィッティングしてもらい、日本人に会計をしてもらう。
なんてワールドワイドなんだ。
その後、UNIQLOへ行き、JCBが使えるのを確認し、チノパンを購入。
これで絶対、大丈夫。
ホテルに帰り、もう一度街へ繰り出す。
夜の凱旋門エッフェル塔を見るには今日しかない。
凱旋門までメトロをぶん回す。
カッケー!と声を出してテンション上げていたら、メキシコ人が写真を撮ってくれと話しかけて来た。
いいよー、と言い、こっちも撮ってもらった。
今からエッフェル塔に行く、というので、じゃあ一緒に行こう!と。
まさかのメキシコ人と仲良くなる。
FUJIWARAの原西ばりの自己紹介を決めるも国際的にスベる。
原西さん、すみません。
一緒にエッフェル塔まで行くまでの間、お互いの事を話し、従兄弟がメキシコで宿をやっている、と伝えた。
今度行ってみるよ、と言ってくれた。
社交辞令であっても間に受けたいな。
エッフェル塔は丁度22:00近く、間もなくシャンパンフラッシュが始まる。
2人で撮り合いしながらガンガン近づいて行く。
そしてエッフェル塔が光りだす。
すげぇ。
めちゃめちゃ写真を撮り、メキシコ人と別れてムーランルージュ前のバルへ。
明日のドレスコードを確認してもらう為、まりこさんと合流である。
とても良い!とお褒めの言葉を。
ここで、今日の昼間の緊急アラートの話をしたら、「私も経験がない」と。
初でなかなかレアな体験をしてしまったな。
一杯ひっかけて24時に解散。
ホテルに戻ろうとしたら、キャッチに声をかけられる。
キャッチ「日本人か?中国人か?」
俺「日本人だ」
すると彼はイエス!と声を上げて俺にこう告げた。
「お前はエロい顔をしている」
「兄弟、間違いない、来い!」
海を越えてもバレている。
たったの10€で女性と楽しめるというのだ。
しかも、ブラザーが半分だすと。
ただ、今の俺には現金がない。

なんせ現ナマで5€なうだ。
そして、日中に動きすぎたせいか、猛烈に眠いのだ。
ブラザーに「明日もムーランルージュを観にここに来る」そう告げると、渋々退いてくれた。
しかし同じ流れが何ターンか続く。
3人だ。
なんて事だ、観てなかったのか。
「お前は女好きの顔をしている、間違いなく楽しめる、来い!」全員に言われた。
2.3人目に対しては、
「1人目のブラザーと契りを交わしてる、今更そっちの店には行けない」
と、仁義を見せて回避。
本当は凄く行ってみたかったけど。

次に来た時は行ってみたい。

騙されたと思って。
部屋に戻り、なんやかんやでまた2時だ。

寝よう。

明日も美術館巡りだ。
いやぁ、今日は疲れたなあ。